JETBOIL の謎 -The mystery of JETBOIL-
JETBOIL という商品がある。アウトドア用ガス缶(OD 缶、T 型缶)を利用し、2,3分で 500 ml のお湯が沸かせる、また、消費ガスも少ないというものだ。燃焼効率と、ガスの消費量について、良く分からない点があるので調べてまとめてみた。
主に、2019年09月現在の、JETBOIL フラッシュ、JETBOIL ジップ、ジェットボイルミニモという製品について記述する。
JETBOIL フラッシュ
JETBOIL フラッシュは、現行最速で沸騰に到達させられる製品である。
JETBOIL フラッシュ の商品ページからいくつか引用する。
※1)周囲温度20℃、無風の条件下で、500mlの水を加熱した状態の沸騰到達時間。(ジェットボイル社調べ)
容 量 1.0L 重量 440g (ガスカートリッジを除く) サイズ φ10.4cm×高さ18cm(収納時) 沸騰到達時間 1分40秒 (0.5L) 出 力 2269kcal/h ガス消費量 約139g/h 素材 アルミニウム(クッカー本体)
である。商品外箱には PERFORMANCE として、
- 500 ml 2cups = 100 sec
- 100 g (gas) = 60 min
- 100 g (gas) = 500ml 2 cups x 20*
* Maximum boils based on stove, use and condition.
とある。「500 ml 2cups = 100 sec」以外はどこかに近似がありそうなので、正確と断言ではできないが、これが公称値だ。100 g のガス缶で、10 L の水が沸かせるのである。
表を信用するならば、ガスの熱変換効率は
2269 kcal/h / (139 g/h) = 16.32 kcal/g
程度ということになりそうである。
0.5 L の沸騰に必要な熱量は
2269 kcal/h / (60 min/h) * (1+40/60 min) = 63.0 kcal
である。
JETBOIL ジップ
JETBOIL ジップは、コストパフォーマンスを追求した製品である。
JETBOIL ジップ の商品ページからいくつか引用する。
ジェットボイル最大のメリットである高い熱効率はそのままに、必要最小限の機能に絞ることで高いパフォーマンスを実現しています。
※自動点火装置が付いていないため、点火にはマッチやライターが必要です
容 量 0.8L(調理容量は0.5L) 重量 400g (ガスカートリッジを除く) サイズ 直径10.4cm×高さ16.5cm(収納時) 沸騰到達時間 約2分30秒 (0.5L) 出 力 1134kcal/h ガス消費量 約100g/h 「ジェットパワー100G」1缶で約12Lの水を沸騰可能 素材 アルミニウム(クッカー本体)
ということである。こちらは、1缶12Lだ、ということは、こちらの方が効率が良い?
しかし、出力とガス消費量の比を見てみよう。表を信用するならば、ガスの熱変換効率は
1134 kcal/h / (100g/h) = 11.34 kcal/g
程度ということになりそうである。こちらの方が効率が「悪い」のだ。
0.5 L の沸騰に必要な熱量は
1134 kcal/h / (60 min/h) * (1+40/60 min) = 47.25 kcal
である。この計算だと、こちらの方が効率が良い。
ジェットボイルミニモ
ジェットボイルミニモは、「サーモレギュレートTMテクノロジー」が搭載されているモデルである。-6 ℃ くらいの低温でも、燃焼効率の低下が起きないと、グラフで示されている。
商品特徴は
容 量 1.0L 重量 500g(ガスカートリッジを除く) サイズ 直径12.7cm×高さ15.2cm(収納時) 沸騰到達時間 2分15秒(0.5L) 出 力 1,512kcal/h ガス消費量 約120g/h 「ジェットパワー100G」1缶で約12Lの水を沸騰可能 素材 アルミニウム(カップ本体)
となっていて、表を信用するならば、ガスの熱変換効率は
2512 kcal/h / (120g/h) = 12.6 kcal/g
程度ということになりそうである。ジップよりは効率が良いのだ。
0.5 L の沸騰に必要な熱量は
1512 kcal h / (60 min/h) * (2+15/60 min) = 56.7 kcal
である。ジップより効率が…悪い。何かおかしいのではないか?


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